HIRA'S DIARY

日常を記録しています

コンビニ人間

 

 

あらすじ。

古倉恵子は36歳、独身のコンビニアルバイト。昔から「普通じゃない」と言われ、生きづらさを感じていたが、コンビニで働いている間だけは上手く振るまうことができた。ある日、新しいアルバイトとして男性がやってきて…

 

感想。

ほんタメで純文学の回にあかりんが紹介していて興味が沸いて購入。この作品、私は超〜好きだった!すぐに読み直したくなりました。あかりんが「純文学は不器用な主人公が社会と関わろうとして、そこで生まれる感情が、自分の知ってる感情とリンクしたときに面白い」というようなことを言ってましたが、まさにこの作品は知ってる感情に出会える本でした。

(追記2022/1/16) 2周目を読みました。コンビニで働き続けるためにはコンビニ店員としてマニュアル通りに振る舞わなければならない。世間を生きるためには普通の人間としてマニュアル通りに振る舞わなければならない。そうしなければ排除される、と語られる。主人公はコンビニ店員は演じられるけど、普通の人間は演じられない。それは、36歳の独身女性がコンビニアルバイトをゴリゴリやることが「普通」ではないけど、それ以外の仕事ができないから、というのが1つの理由。でもコンビニ店員としての古倉さんの適性は並外れていて、まさに天職だと思う。クライマックスの、面接に行こうと、その前にトイレを借りようとコンビニに入る、あのシーン。あそこからのスピード感がほんと〜に大好き(笑)。生き生きとしているのが伝わる。「私は人間である以上にコンビニ店員なんです」と断言する。♪何が君の幸せ 何をして喜ぶ♪というアンパンマンの歌を思い出した。「コンビニ店員であること」が答えになる、それでもいいじゃないかと思えてくる。