叙述トリック短編集
あらすじ。この本の短編は全て、叙述トリックが使用されています。そう言えばフェアになると考えた著者は読者にトリックをあばいてみよと挑戦する。
感想。短編集で読みやすいのかと思っていたが、意外と読むのが大変でした。これは、ミステリー小説を読みまくった玄人向けの作品だと思いました。トリックに重点が置かれているからか、事件の動機が理解しづらく、話についていけなかったものもありました。「背中合わせの恋人」は好きでした。短編集なのに通して読むと、おおっ!となった部分もありそこは面白かったです。
ここからネタバレ。
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読者への挑戦状で触れられていたヒントを整理してみます。
①ちゃんと流す神様
ヒントでは触れられていない。
②背中合わせの恋人
なぜその形式で語るのか。
目線が異なることで、名前と顔の不一致勘違いトリックを利用できる。
③閉じられた三人と二人
なぜ登場人物の名前がそれなのか。
欧米系の名前が出てくるときは映画の世界と現実の世界がごちゃごちゃにしやすいということ。
④なんとなく買った本の結末
最初のシーン(別紙さんと助手がぐだぐだと喋るシーン)がなぜ書かれたのか。
小説(舞台は現代)の中の小説(1985年頃)。アリバイで昔使われていたショルダーホンというものが使用されていた。
⑤貧乏荘の怪事件
たくさんいる登場人物の名前をどこかにメモして並べておく。
タイ人の学生の本名が2回目に出てきたとき、よく見たら別人だった。
⑥ニッポンを背負うこけし
それまでの話を全て読み返す。
読み返すと別紙さんはそれぞれ別人と分かる。
全ての話に共通してでてくる登場人物は助手の女の子でした。
⑦あとがき
ノーヒントで解ける。