52ヘルツのクジラたち
あらすじ。
アラサー独身女性の貴瑚(キナコ)は実母や義父、元恋人から虐待や暴力を受け、東京から大分の海辺の町にひとりで引越してきた。そこで虐待を受ける少年と出会い…。
感想。
本屋大賞2021の1位の作品で、主人公が自分の同年代女性で刺さりそうだなと思って読んでみました。
以下、ネタバレ
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キナコは親に虐待されていた第1の人生、アンさんに出会って別れた第2の人生、そして少年と出会った第3の人生がある。
第1の人生では自分の助けの声(52ヘルツの声)を聞いてくれる人がいなかった、第2の人生では自分の声を聞いてくれたアンさんと出会ったが自分がアンさんの声に気づくことができずアンさんを喪ってしまった、第3の人生では少年の52ヘルツの声を聞くことができて助けることができた、という物語。
キナコは第2の人生でなぜアンさんを選ばなかった、選べなかったのか?確かに「あの人は良い友達だけど恋人とは思えない」というのはありそうなものだけど。そして、よりによって、最低な男を選んでしまったなぁと。私の恋愛観ではそういう選択はありえん、なので最後まで分からなかったです。
アンさんはなぜ死んだのか?愛している人に自分の声が届かなくてつらいのは分かる。母に自分の性的なところを理解してもらえなくてつらいのも分かる。だけど、アンさんはなぜ自殺したのか?分からない…
少年を52と呼ぶのが囚人みたいでかわいそうと思った。
でもキナコといとしが最終的には救われたようで良かった。
という感想を抱きつつ、Amazonのレビューをみると賛否両論でした。笑